小さな集落の大きな伝統|穂北神楽のあたたかい夜

こんにちは、いちごのシニア通信局です。
わたし自身もシニアになり、若い頃に見聞きしてきた“ふるさとの音”が、今になって心に響くようになりました。
今回は、西都市の「穂北神楽(ほきたかぐら)」を実際に訪れた体験と、調べた内容を合わせて、シニア目線でまとめてみます。


穂北神楽とは?

宮崎には高千穂神楽をはじめ、地域ごとに数多くの神楽が伝わっています。
その中で「穂北神楽」は、西都市の穂北神社を中心に受け継がれてきた、地元密着の半夜神楽です。

起源は古く、文献には江戸時代の記録があり、面には室町期の墨書も残るといった“長い時間の層”を感じさせる神楽。
竹で結界を組み、むしろを敷いた御神屋おみやで舞われるその姿には、山里の暮らしと信仰がそのまま息づいています。
▼穂北神社の場所
穂北神社


夫の思い出が重なる、今夜の神楽へ

たまたまSNSで神楽の日程を見つけた私が、
「今夜は穂北神楽があるみたいよ。」と夫に言うと、
「子どもん頃、よう見に行っていたわ。久しぶりに行ってみようかな。」
と懐かしそうに目を細めました。

車で40分。何度も夫の実家へ帰省し、その前を通っていた神社が今夜の舞台。
改めて訪れると、昔の風景がそのまま残っているようで、胸がじんわり温かくなりました。


竹囲いの舞台と温かい集落の空気

御神屋を囲む切り紙  撮影:筆者

竹で囲われた御神屋おみやが、なんとも神秘的

境内には、竹を組んだ舞台(御神屋)がすっと立ち、
その中にはむしろがしっかり敷かれ、周囲には観客用のござが並べられています。
昔ながらの“野神楽”の面影そのもの。
こういう素朴な風景が、シニアの心にはたまらないですね。

夫は神楽より「再会」に花が咲く

神楽が始まる前から、夫は知っている人はいないかキョロキョロ。
すると、次々に声をかけられ、
旧知の知り合いと笑いながら話に花が咲いていました。
なんと60年以上ぶりなんですよ。
その様子を見ていると、「あぁ、地元っていいな」としみじみ思います。


地元に息づく伝統と、若い力

中学生らしい舞手 撮影:筆者

穂北神楽で印象的だったのは、舞手や太鼓の若さ。
中学生くらいの舞手、小学生らしい太鼓の打ち手――。
まるで“村全体で神楽を守っている”姿が目に浮かび、胸が熱くなりました。

夜7時を過ぎるころから、地元の仕事を終えた家族が続々とやってきました。

わたしたちシニアが見てきた時代とは違う形で、
今の子どもたちの中に伝統が受け継がれている。
こうした光景を見ると、「未来はちゃんと続いていくんだ」と安心させられます。


穂北神楽の魅力と、シニアにとっての楽しみ

① 昔の記憶とつながる

太鼓の響き、夜の境内の空気、竹の匂い。
どれも昭和の記憶を呼び起こし、心が若返るような感覚になります。

② ゆっくりした“非日常”の時間

夜まで続く舞を眺める時間は、忙しさを忘れさせてくれるご褒美のひととき。
静かに見るだけでも、深呼吸が自然と増えて、心が落ち着きます。

③ 人とのつながりが深まる

夫のように、知り合いとの再会があるのも神楽ならでは。
地域との関係が薄くなりがちなシニアにとって、こうした機会は貴重です。


遠方からも来る人気の神楽

驚いたのは、駐車場に並ぶ県外車、いろいろな県のナンバーが並んでいる。
わたしたちが知らなかっただけで、
県外や遠方から訪れる観客も多かったこと。

メディアの取材も見受けられました。

地元の小さな集落の神楽が、これほど愛されているなんて――
その事実に胸が熱くなります。


最後に:シニアこそ“ふるさとの音”に触れてほしい

初めて穂北神楽を訪れてみて、
「昔の風景がまだここにある」
そんな実感が心の奥に響きました。

わたし世代にとって、こうした伝統行事は“思い出を呼び起こす力”があります。
大切な記憶をもう一度手に取るように味わえる、そんな特別な時間。

もし機会があれば、ぜひ一度訪れてみてください。
自分の中の“ふるさとの音”が、また静かに目を覚ますかもしれません。

プロフィール
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いちご

元校長、今、“バリバリのシニア女子!”
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モットーは、“老いても笑えば、日がまた昇る”。
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